最近60の定年を過ぎても延長して働く方、再就職する方等、シニアの活躍が目立ってきております。そのような方は65歳を過ぎても何らかの収入がある事も多く、年金受給も65歳からスタートしなくても大丈夫、という方も多いのではと思います。
年金のもらい方は、60になってどうしても欲しい方のために繰上げ受給制度があります。逆に65以上では最遅70になるまで年金を漬け置きする事も可能です。
当然早くもらえば受給額は割り引かれるし、遅くもらえば割増しになります。そうなるとそれぞれの損益分岐点はあるのでしょうか?
まず「繰り上げ受給」については、それなりの早くもらわなくてはならない事情があると思われますので「損益分岐」的な考えは無いと思われ、ここでは触れません。
65歳からもらった通算額と遅れてもらった通算額が同額になるのが損益分岐点であり、それ以降は通常の受給よりも通算金額がどんどん増えていきます。
仮に70歳で需給を始めた場合は約12年後(82歳)には65歳でスタートした時の受給総額に追い付きます。それ以降は割り増し分が純粋な増額として受給出来ます。繰り下げ受給の場合は繰上げ受給と違って「基礎年金」「厚生年金」を同時に繰り下げなくても良いので、様々な受給シミュレーションが考えられます。
2年前の統計では82歳での平均余命は男性で7.9年、女性で10.5年なので、老後の資金について「ご用とお急ぎのない」方はちょっと考えてみても良いでしょうね。
さらに今後繰り下げ年数が伸びで70歳以上という動きもありそうですが、一方で年金の原資ともいうべき年金保険料とのバランスを考えたときに、このままの制度が維持できるかも心配なところもあるため、年金の動向を継続してウォッチしていく必要があります。